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隣を歩くのは

第9章 お泊り~後編~


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…ごめんね、皆。



皆が部屋に戻って来てから約3時間経った。寝付きの悪い真ちゃんが深い眠りにつくのには、これくらいの時間が必要だったから。真ちゃんが眠れば確実にもう皆も寝ている。

赤司君はよく分からないから心配だったけど、疲れてるしもう寝ているだろう。


あたしは静かに体を起こすと、お風呂の用意をして、音をたてないように部屋を出た。



24時間営業している温泉で、1人ゆっくりと体を伸ばす。


話してしまった。




皆、引いてないだろうか。変な同情の目で見られるのかな。一番の恐怖は、距離を置かれること。





『どんな顔して会えばいいか、分かんなくなっちゃった…』





信用していた、信用してくれていた皆に対して、隠し事をしていた。それは嘘とも呼べる。そんな事をして、今まで通り接してくれという方が間違っている。


約30分も浴槽につかっていれば、温度の高い温泉ではすぐに逆上せる。お風呂から出ると、あたしは次にどこに行こうかと考えて暖簾をくぐった。



考え事をしていると注意散漫になるとは本当らしい。







「あまり長湯をすると逆上せるよ」







『なっ…んで…』








「言っただろう、話がしたいって」













壁にすがって腕組みをしている赤司君に気付かないなんて。
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