第1章 ⚡︎ 爆豪勝己 .1. √
テレビを見ながらぎゃあぎゃあと騒ぐ上鳴と切島をぼうっと見つめる。
こいつら今日も元気だなぁ、なんて思うのはおかしいだろうか。
いやおかしくないはずだ。
だって今日は実技訓練があったから。
少し怪我をしてリカバリーガールに治してもらったため、精神的にも身体的にも疲れた。
ふあ、と欠伸が出て、生理的に潤んだ目を乱暴に擦る。
眠気と疲労で重たい腰を上げて
「俺、もう寝るわ。」
「おー、おやすみ〜。百瀬」
ひらりと手を振る瀬呂をちらりと見て、流れるように爆豪を見ると
じい、とこっちを見つめていて
「…、おやすみ、爆豪。」
「……」
相変わらず返事をしないのは俺が嫌いだからだろうか。
呆れ混じりの苦笑を返したあと、
「!百瀬寝んのか〜?おやすみ〜!」
「おやすみ〜」
切島と上鳴の声を背中に受けながら部屋に戻った。