第39章 私たちは…。
誰かをヤれば、誰かがヤらる…。
私はその様子をある場所からただ黙って眺める。
私の狙いはもちろん…カルマ。
(カルマサイド)
おかしい…。ある程度人数が減ってきたとはいえ、まぁの情報が誰からも入らない上、スタート開始から動きもない…。
俺が狙いである事は確かだ。
一体どこにいる…?
あと残っているのは、赤チームは中村、寺坂、寺田、村松、そして俺…の5人。
青チームは、まぁ、前原、渚君の3人だ。
俺は片眼の双眼鏡で戦況を見ながら指示を出す。
いた…。
カルマ『中村、渚君が高台近くの岩の陰にいる…。寺坂たちと一緒に回り込んで。』
中村『りょーかい。』
渚は4人に囲まれ、ペイントをつけられてしまう。
カルマ『よし、これであとは青は2人、そして赤は俺含めて5に………。』
おかしい…。なんであそこに5人…赤チームがいる…?まさか………。
バパパパパン…。
一番後ろでフードを深く被り、赤チームの腕巻きをした者が味方にペイントマシンガンを放つ。
そのペイントからは、青いインクが飛び散り、中村、寺坂、吉田、村松を青く染める。
カルマ『………。まさか俺たち赤チームに紛れていたなんてね…。その腕巻きは、赤ブドウの実か何かで白い布を染めたんでしょ?』
俺は、背後から近づいてきた前原を後ろ向きでナイフを振り、赤いペイントを付けながらまぁに尋ねる。
『そうだよ…。私は戦況には参加せずに、赤チームに紛れ込んで隙を伺ってた…。
これで一対一だね。カルマ。』
そう言いながら、赤ブドウで染めた布をほどき、その下からは青チームの腕巻きが現れる。