第35章 記憶の中の彼は…。
私の部屋?に戻る。
白い棚の上にはいくつもの写真が飾ってある。
クラスみんなで旅行に行ったらしい写真。学校で楽しそうに笑う私。
だけど、どれもよく思い出せない。
スマホの写真ホルダーを見る。
海水浴に行ったらしき写真…。お兄ちゃんと仲良くバーベキューを食べる写真。
ヤドカリを見せられ怒っている私にお兄ちゃんが笑っている写真…。
背後に青や白のイルミネーションが写り、お兄ちゃんとアップで撮ったらしき写真…。
私…どれもすごく幸せそうに笑ってる…。
トクン…。
何…これ…。
私はその日、何故かお兄ちゃんの事ばかりが頭から離れなかった。
次の日ーー。
カルマ『まぁ、明日から学校だけど、コロ先生の暗殺は自由だけど無茶だけはしないでよね。ま、3日行ったらもう冬休みだけどね。』
『分かってるよ…。』
冷蔵庫からイチゴオレを出して飲んでいるお兄ちゃんが言う。
ジーーーー。
カルマ『もしかして、飲みたいの?』
『なんかそれ…好きかもしんない。』
カルマ『じゃ、飲んでみる?』
俺は飲みかけのイチゴオレをまぁに渡す。
ストローでイチゴオレを飲むまぁを見つめる。
『ん!これやっぱり好きぃ〜!ってか、前にも…。
あれ…。私、誰かに…飲ませてもら…。』
頭を抑え込むまぁ。
カルマ『まぁ無理しないで…。ゆっくり、ゆっくりでいいから。ね?』
『はぁ…はぁ…はぁ…。』
俺は優しくまぁの背中をさする。
やっぱり…。記憶は消えてはいない。けど、それを思い出そうとする度にまぁには相当な負荷がかかるみたいだ。
思い出して欲しい…。それは俺のエゴなのかな…。