第9章 賭け。
あれからその大名への作戦をきき、
他にもいくつか懸案事項を話し合い軍義が終わった。
ふぅとため息をつき
針子の職場へ戻ろうと廊下に出る。
「ひな」
私の名前を愛おしい人の声が呼ぶ。
「政宗……」
「お前、あの時本気で出てこうと思ってただろ。」
!!
「そんなポンポン決めていいのかよ、
お前の好きなやついるんじゃないのかよ。」
「別にそうならなかったからいいじゃない」
「そういう問題じゃないだろ。お前時々
自分をないがしろに。。。」
「政宗には関係ない!!」
これ以上私を気にかけないでーーーー。
思わす声が大きくなる。
「本気でおいてもらってる信長様に恩返ししたかっただけだし。
別にここにおいてもらってる理由なんて
こじつけみたいなものだし。
そもそも好きな人なんてーーーー。」
「自分に嘘つくんじゃねぇ!」
「……ーーーっ!」
誰のせいで嘘つかざる得なくなってると
思ってるのよ!
誰のせいでこんな思いしてると思ってるのよ!
好きなやつが誰かなんて知らないくせにっ!!
無性に涙がたまる。
だめだ、こんなことしたら。。、
首飾りを触りながら次の言葉を発しようと口を開いた瞬間
「ひな」
びくっ!!!
自分の名前が呼ばれて驚く。
家康が政宗の後ろにたって
私をまっすぐ、捉えていた。
いけない。
私何を発しようとしてたんだろう。。。
家康に呼び止められなかったら………
「二人とも声でか過ぎ。」
「…………あぁくそっ!」
家康に言われて我にかえったのか政宗は
自分の髪の毛をくしゃくしゃとさせ
罰の悪そうにつぶやく。
「すまねぇ。でしゃばりすぎた。」
「こっちこそ、ごめん、なんか感情的になっちゃった。」
「いや、じゃあな。」
「……うん。」
好きな人に
謝らせたいわけじゃないのに。
こんな顔させたいわけじゃないのに。。。
「政宗ー!!!」
私の後方からはるの声が聞こえ、
そのまま私を通りすぎ
政宗の隣につく。
「なんだ、まだいたのか。」
政宗がはるの頭を撫でながらいう。
あぁ、やっぱり私じゃ政宗にあんな顔させられない。
「ねぇ、家康。」
「何?」
隣にいる家康に言う。