第8章 笑えない。
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「ごめんなさい!ひなさん!
私、朝起きたらなんか政宗のふとんで寝てて、
なんか絶対やらかしたよね、ほんとにごめんなさい!」
次の日、大きな目に涙を浮かべて私にあやまってくるはる。
「みんなでお酒飲んで、光秀さんにもお酌
してもらってるとこらへんまでは記憶あるの。
そっから、政宗に止められてーー。」
ーーーーズキッ
「気持ち悪いなって思ったら政宗にあれはみせたくなくて」
ーーーーイラっ。
「政宗に嫌われるのが嫌で。。。」
ーーーーイラっ。
お願いもう私の前で政宗の話しないでーーーー。
これ以上いると心の声をそのまま声に出しそうで。
抑揚のない声で答えてしまう。
「わかったから、もういいよ、ごめん、用事あるし
行くね。」
「えっ。。あっ、、ごめ。。。」
相手の返事を聞き終わる前に
はるの前を通りすぎる。
ちらっと顔を見たらまた泣きそうになっていた。
泣きたいのはこっちだよーー。
って最悪。
はるは、全然わるくないのに。。。
何一人イライラしてるんだろう。
首飾りに触れて気持ちを静め、
廊下を曲がる。
ドンッ。
「いたっ、。。」
何かにあたる。
見上げると家康だった。
「ごめん。。」
「………なにしてんの。さっきの。」
「!!聞いてたの?!」
「二人とも声でかいから聞きたくなくても聴こえる。」
「ごめん。。。、」
「いや、そうじゃなくて、なんなのあれ。」
「……っ、家康には関係ない!!」
そのままふりきっていこうとすると
腕を捕まれ、そのまま廊下を歩き出す。
「っ痛たい!!ちょっと!家康!」
「……黙って。」
翡翠色の瞳で思いっきり睨まれると
もう何も言えなくなる。
襖をあけ、
「ここ座って。」
少し薬草の匂いがする。
家康の部屋だ。