第5章 溢れだす思い。
「すごい!ひなさん、
ほんとに綺麗!!」
はるがキラキラした眼差しで私をみる。
宴の翌日、
今日は何人かの大名が謁見にくるらしい。
私とはるは織田ゆかりの姫として
応対するため、
それなりの服装に着替えないといけない。
こんな立派な着物に袖を通すのは
1年ちょっとぶりで、
ちょっとそわそわする。
鮮やかな水色地に
美しい藤の花が刺繍されている着物。
政宗がくれた首飾りと同じ柄で、
それだけで嬉しかった。
あの時もよく青色地の着物をきてたな。
ーーーーーーー
ーーーー
政宗になんでだって聞かれると
『政宗の瞳の色が好きで、、、
なんかお揃いみたいで。。。へっ、へんだよね。
ごめん』
っていったら急に顎に手をかけられて
上を向かされ
そのまま優しいキスがふってきた。
唇が離れると
『謝るな。可愛いこといってくれるじゃねぇか。
今くっちまいたいくらいだ。
似合ってる。』
『/////っ。』
真っ直ぐなその瞳で見つめられるから
もう蕩けそうになる。
それからしばらくして
この首飾りをくれた。
『これで、お揃いだ。ひなはなんでも似合うから
いろんな色のお前をみてみたい。』
『っ。。。ありがとう!!!』
『お前、なくか笑うかどっちかにしろよ。』
『だって!!違うもん、これは嬉しなきだよ。』
そういいながら政宗の胸にぎゅって顔を押し付けて
大好きな人に包まれたんだ。
ーーー
ーーーー
ーーーーー
「ひなさん??」
大きな瞳をくりくりさせて
私を覗き混むはるが目の前にいた。。
あっ、
「ごっ、ごめんなさい。考え事してて。」
「えー?そうなんですか!!
なんかとっても優しい顔されてましたよ。
好きな人のことでも考えてたんですか??」
「えっ。。、」
私がすこし戸惑うと、
現代に置いてきた彼氏の事を思い出させてしまったと
勘違いしたのか、慌てて頭を下げた。
「あっ、すみません。。なんかほんと。」
素直な子だなぁ。
「いえいえ、そんな事ないですよ。」
笑いながら言う。
そんなはるは、
朱色の着物地に金や銀の刺繍が鮮やかで、
お姫様そのものだった。
いいなぁ。。。、
なんて、思っているとふいに後ろから声がした。