第11章 策略。
キーッ。。。
木と木がずれる音でがして
白い塗り壁が横にずれる。
「あったーーー。」
安心したのもつかの間、またそう遠くない場所から
ガラガラと天井の崩れる音がする。
煙も濃くなる。
まったく見えなくなるけれど。。。
すばやくその中にはいり扉をしめる。
キー~っバタン。
「ハァ。。。ハァ。、。ハァ。…………」
私の息づかいだけが暗闇に聞こえる。
手探りで壁を伝いながらまっすぐ進む。
食料庫はあったけど
それが炊事場に繋がってる保証なんてない。。。
でもここしか。。。
コツン。
突き当たりだ。
手探りで手をひっかける部分を探す。
ガサガサっ。、。
「………ない。。。」
さっきの壁を横にひいたように
同じように引いてみる。
びくともしなかったーー。
「あいて。。。あいてよ。。。」
涙が出てきた。
ドンドンと壁を叩く。
うんともすんとも言わない。
「うーー。。。」
左手を額にあて、
そのまま壁にずるずると座り込んだ。
ここまでかーーーー。
ズキズキと、右腕がうずいてくる。
煙が少しずつ入ってきたのか
ゴホゴホと咳き込んでしまう。