第17章 お菓子パニック
「何だこれ?」
「ポフレっていうカロスの伝統のポケモンのお菓子よ」
「これも人間が食べても大丈夫なのですか?」
「うん、ポロックと同じようにきのみを使ってるし、生地にも添加物入ってないから安全だよ」
「食べてもいいっすか?!」
「えぇ、どうぞ」
「わーい、いっただっきまーす!」
何も躊躇いもなくポフレに手を伸ばす赤也。
「(ぱくり、もぐもぐもぐもぐ...)」
「「「「「「(じー...)」」」」」」
ポフレを咀嚼する赤也をガン見する6年男子陣。
「そんなガン見しなくても...」
「ヒコヒコ...」(馬鹿じゃないの...)
「うんめぇ~!めちゃくちゃうめぇ!こんな美味い菓子初めて食ったっす!」
「ほんと?良かった!あ、精市君達の分もあるから、よかったら食べて」
美味い美味いと歓声をあげる赤也に、フェリシアは微笑んだ。
「ヒーコ、ヒコヒコ?」(ねぇ、私達の分、あるよね?)
「大丈夫。まだあるから」
「いいのかい?食べても?」
「うん、どうぞ」
フィアンナや幸村達も手を伸ばした。
「うん、美味い!」
「...これちょっと苦いな」
「きのみの味そのものですね」
「......」
「何じゃブンちゃん、食わんのか?」
ブン太はポフレを見つめたまま、微動だにしない。
「ブンちゃん言うな。つか仁王、お前いつの間にアイツと仲良くなったんだよい?」
「さぁ?いつじゃろうなぁ?(もぐもぐ)」
はぐらかしつつポフレを齧る仁王。
ぐぅぅぅぅきゅるる~
(腹、減った...)
ブン太もとうとう我慢出来なくなったのか、やがてポフレに手を伸ばした。
「(ぱくり、もぐもぐもぐもぐ...)......」
一口齧った瞬間、ブン太の動きが止まった。
「ブン太...?」
「丸井君?どうしたの?」
不審に思ったフェリシアがブン太の顔を覗きこんだ瞬間だった。
ガシッ!
「ふぇ?!」
「ブン太?!」
突然ブン太はフェリシアの両手を握りしめた。
「美味い!超美味い!これ、お前が作ったのか?!」
「う、うん、そうだけど...」
顔をあげたブン太は満面の笑みを浮かべていた。
「なぁ、これの作り方、教えてくんねぇ?」
「ポフレの?」
「あぁ。弟たちにも食わせてやりたいんだ!なぁ、駄目か?」
キラキラとした目でフェリシアを見つめるブン太。