第17章 お菓子パニック
リッカイバトル部の入部試験から早2週間。
仮入部期間が半分終わり、仮部員も半分近く減った。
「午前はここまでだ!一時間の昼休憩にする!」
バトルフィールドに幸村の声が響き渡った。
「いつも思うんだが、フェリのポケモンフーズに入ってる『それ』は一体何なんだ?」
昼御飯を食べながら柳が言った。
柳の言う『それ』とは、青やピンク等の色とりどりのキューブ状のもの。
「これ?ポロックっていってね、ホウエン発祥のポケモンのお菓子なの。ポケモンのコンディションを整えてくれるんだよ」
「成る程、だからフェリのポケモン達って毛づやがいいんだ」
「人間でも食えるんすか?」
「原材料はきのみだけだから食べられるよ。食べてみる?」
「いいんすか?!」
「えぇ。はい、あーんして」
「「「「「?!(ちょっと待てぇぇぇぇ!)」」」」」
指で赤色のポロックをつまみ、赤也の口元に持っていくフェリシアに驚愕する6年男子陣。
しかし...
「あーん、(ぱくっ、ぼりぼりぼりぼり...)ん!ちょっと辛いけど美味いっす!」
「そう、良かった!」
「「「「「......」」」」」
赤也は何の躊躇いもなく食べた。
「...純粋って時に怖えぇな」
ジャッカルが小さく呟いたその瞬間だった。
「にぎゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?!」
突然絶叫が響き渡った。
「どうしたんだブン太?!」
「何事だ?!」
「俺の、俺の弁当が、ない...」
「えぇ?!」
いつぞやフェリシアとバトルして完膚なきまでにぶちのめされたブン太が悲痛な声をあげた。
なんと彼、自分のポケモンの為のポケモンフーズは持ってきたのに自分の弁当は忘れてしまったのだ。
「腹減ったぁ~ジャッカルゥ~何かくれよぉ~」
「...悪ぃ、俺自分の弁当全部食い終わったばかりだ」
「ちっくしょぉぉぉぉ!俺の昼飯ぃぃぃぃ!」
「ねぇ、良かったらこれ、お菓子だけど食べる?」
項垂れたブン太にフェリシアが差し出したのは、バスケットに入った色とりどりのカップケーキのようなお菓子。