第15章 再会
「確かに...デボンコーポレーションの副社長...ツワブキダイゴ氏はホウエンリーグチャンピオンでもある。フェリが知り合いでも可笑しくはない、か...」
(実を言うと、フェリシアがデボンの副社長と知り合ったのはポケモンリーグではなく、流星の滝の洞窟である)
「でも、彼らには何て言ったんだい?」
「『ニッポン地方の愛宮財閥、買収出来ますか』って言っただけよ」
「買収って、そんなこと出来るのかよ?!」
「私の家族が調べ上げてくれたデータをダイゴさんに渡して、『これが愛宮財閥の弱点です。これがあれば大丈夫ですし、どっち道、彼処は潰れるので』って...デボンからしてみても、愛宮財閥はかなりきな臭かったみたいだし」
「しかし、デボンだけなら兎も角、何故警察も愛宮逮捕に乗り出せた?」
「警察の知り合いにも同じデータを送ったから。愛宮財閥が買収出来ても出来なくても、どっち道潰せるように」
声のトーンはいつもと変わらないがとてつもなく恐ろしいことを言うフェリシアに、その場に居合わせた少年達は歴戦の猛者の幻影を視たのだった。
「へぇ~やっぱ凄いなフェリシアちゃん...ねぇ、俺とバトルしてくれない?」
「え?私と?」
突然の千石の申し出に目が点になるフェリシア。
「うん。だって世界を見て回った人とバトルする機会ってあんまないし。それにさ、一目見たときからバトルしたいなぁって思ってたから。駄目かな?」
何故か目をキラキラさせて頼み込む千石。幸村達は若干引いている。
「勿論。売られたバトルは買うのが礼儀だもん」
「ヒッコォ!」(その通り!)
「そんな礼儀、聞いたことないぞ...」
ジャッカルのツッコミをスルーし、一同は研究所の外へ。
「使用ポケモンは一体。どちらかが戦闘不能になった時点でバトル終了です」
研究所の外のバトルフィールドでは、千石とフェリシアが向き合っている。
今回の審判は柳生のようだ。
「に、しても...」
辺りを見回す赤也。彼らの周りには、いつの間にか様々な種類のポケモンが集まっていたのだ。その数は軽く見積もっても50は居るだろう。