第14章 ファンクラブ
「チェックメート、シャーロット、破壊光線!」
「ミ、ミロカロス!かわすのです!」
どっかーん
混乱の影響でまともに動けなかったミロカロスに破壊光線が直撃し、毎度お馴染みとなった大爆発を起こした。
「愛宮のミロカロス、戦闘不能!フェリシアのミロカロスの勝ち!よって勝者、6年C組フェリシア!」
煙が晴れ、フィールドに横たわっていたミロカロスが目を回していたことを確認した幸村はすぐにコールした。
「お疲れ様シャーロット」
「ミロ~、ミロミ~ロ~」(ママ~、誉めて誉めて~)
「うんうん、とってもマーベラスだったよ」
「ミ~ロ~」(嬉し~)
ポセイドンと同様、フェリシアに巻きついて頬擦りするシャーロット。
ほのぼのとした空間が造り上げられた瞬間だった。
「この役立たず!」
愛宮の怒声が辺りに響き渡った。
「何よ!折角綺麗で個体値の優秀なミロカロスを取り寄せたのに!全く役に立たないじゃない!」
フィールドに倒れるミロカロスに怒声を浴びせる愛宮。
「...今、『取り寄せた』って言った?」
「だったら何よ!」
「その子、貴女が1から育てたという訳ではないの?」
「当たり前じゃない!こんな進化や育成に手間取るポケモン、他人に任せたほうが手っ取り早いじゃない!」
「そう...そのミロカロス」
「美しさもレベルも全く上がってない状態で進化させられたのね」
「「「「「?!」」」」」
これには愛宮だけでなく、レギュラー陣を始めとする野次馬全員が驚いた。
「フェリ、それはどういうことだ?」
全員を代表して、柳が尋ねた。
「蓮二君、ミロカロスの進化条件って知ってる?」
「...?確か美しさを最大限にしてレベルアップではなかったか?」
「そうね、『それ』もあるわ...でも『他』にもあるの、知ってる?」
「何?!」
知らなかったらしく、柳は開眼した。
「最大限になつかせてレベルアップ、綺麗な鱗を持たせて通信交換。これがミロカロスの進化条件よ」
「でも、何故それが愛宮のミロカロスの美しさとレベルが上がってないことに繋がるんだ?」
柳はそっとノートを取り出した。