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蒼い月

第12章 教師と全力の絆


「オンバーン、そのまま押しきれ!」
「そのまま抑え込め!火炎放射!」
「ッチ、オンバーン離れろ!」

即座にオンバーンに指示を出した藤沢だったが、オンバーンのドラゴンクローは元々ナイトのドラゴンクローに抑え込まれていたらしい。逃げることも出来ず、オンバーンはもろに火炎放射を食らった。

「調子に乗るなよ、オンバーン、暴風!」
「ナイト、踊れ!」
「「「「はい?!」」」」

威力の高い技を指示した藤沢に対し、フェリシアは踊れと指示した。
そして指示通りに踊り始めるナイト。元々命中率の低い暴風をいとも簡単にかわしていく。

「ふざけてんのか?!怒りの前歯!」
「鉄壁!」

鋭く尖った牙は硬い鱗に防がれる。

「もう一度火炎放射!」

先程よりも威力の増した火炎放射がオンバーンに襲いかかった。

「先生、貴方はナイトを私自身の力ではなく、父のコネでゲットしたと仰いましたよね?」
「だったらなんだ。事実だろ」
「事実かどうかは、私達の絆の力を見れば解りますよ」
「絆だと?」
「はい」

この一言で、またギャラリーは騒然となった。

「まさか、ジャラランガもメガ進化できるの?」
「でも、聞いたことないぞ」

賑やかなギャラリーを他所に、フェリシアは左手首のZリングに茶色のZクリスタルを嵌めた。

「ナイト、私達の絆の力、見せるよ!」
「ジャランガ!」(おう!)

「私達の絆、光輝け、全力となって!」

不思議な舞と共に、Zクリスタルから発生した光がナイトを包み込む。

「いくよナイト!ブレイジングソウルビート!」
「ジャララーーーーンガーーーーー!」

ナイトは全身の鱗から音を出すと、その音のエネルギーを両手に溜め込み、オンバーンに向かって放った。そして、


ちゅどかーん


と、今まで以上の爆発を起こした。
そして爆発が収まると、オンバーンは目を回して倒れていた。

「...オンバーン戦闘不能、ジャラランガの勝ち!よって勝者、フェリシア!」

幸村もぼーぜんとしていたが、ふと我に返り高らかにコールした。

「ナイト、お疲れ様」
「ジャーラン」(いいってことよ)

ナイトの首を撫でるフェリシアに、幸村を始めとするクラスメート達が近寄っていった。
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