第12章 教師と全力の絆
「藤沢先生、今俺はフェリに質問してるんです。先生には聴いてません」
「でもなぁ幸村、いくらあの柳に勝ったからと言ったって、俺はこいつが何かインチキしたようにしか思わねぇんだ」
「彼女はズルなんてしてません!」
「どうだか。プラターヌ博士のコネでも使って、強いポケモン手に入れたとかだろ。でなきゃドーピングとか」
白熱する幸村と藤沢の言い合いに、終止符を打ったのはフェリシアだった。
「...じゃあ、実際に確かめてみます?」
「「は?」」
目が点になる幸村と藤沢。及びクラスメート。
「実際に私とバトルしてみれば、インチキかどうかなんてすぐ解りますよ...どうですか藤沢先生。バトル、受けますか?」
フェリシアに静かに問いかけられ、その威圧感に藤沢は一瞬たじろいだが、
「わかった。そのバトル、俺が勝つ」
とフェリシアの申し出を受けたのだった。
そして場面はバトルフィールドへ。
「使用ポケモンは一体。どちらかが戦闘不能、又はバトル続行不可能になったら終了。ルールはこれでいい?」
審判は幸村が務めるらしい。
「フェリシア、謝るのなら今のうちだぞ」
「何がですか」
「この前の柳とのバトルでズルしたことをだ」
「私はズルなんてしてませんし、それにもし仮に謝るのなら貴方ではなく直接蓮二君に謝りに行きますよ」
「そんな余裕、すぐに折ってやるよ!行け、オンバーン!」
藤沢が出したのはオンバーン。
「だったらこっちは、MyBestFriend、ナイト!」
一方でフェリシアが出したのは、立派な体躯と鱗を持つ高山の戦士。
「ジャララーーーーン!」
ジャラランガだった。
「600族...」
ギャラリーは騒然となった。まさかフェリシアが600族を持っていると誰も思わなかったようだ。まぁ、当たり前か。
「お前、そのポケモンもコネで手に入れたのか?」
「いいえ、自分の手でゲットしました」
「どうだか。口でなら何とでも言える」
「はぁ......いいから、さっさとやりましょ」
この一言が更に藤沢を怒らせたらしい。
「いい気になりやがって、思い知らせてやる!オンバーン、ドラゴンクロー!」
「ナイト、こっちもドラゴンクロー!」
ドラゴンクロー同士がぶつかり合い、辺りに火花が散る。