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蒼い月

第11章 転校初日


そして翌日。

「フェリちゃん、忘れ物はないかい?」
「はい」

今日からリッカイ学園に通い始めるフェリシア。真新しい制服に身を包み、髪はいつも通りのお下げ髪。いつものゴーグルつきキャスケットを被り、首にはマフラーとメガブローチ。手にはお気に入りのグローブと学校指定のスクールバック。左手首にZリング。そして肩にはパートナー。基、フィアンナ。

「学園に着いたら職員室に行ってね。そこに担任の先生がいるから。後、校長先生からポケモンを貰ってね」
「え?ポケモンをですか?」
「うん。転入生や留学生には校長自ら渡しているんだって」
「(またあの人に会うのヤだなぁ)...わかりました。それじゃぁ行ってきます」
「ヒーコヒコー」(行ってきます)
「行ってらっしゃい。楽しい一日を!」

こうしてスクールまでの道のりを走り出すフェリシアとフィアンナはこれから始まるスクールライフに胸を膨らませていた。
しかしまさか、転校初日にとんでもないトラブルが起きようなんて全く思わず。








そして、走り続けること数分。
フェリシアとフィアンナはリッカイ学園の敷地内にいた...が。

「職員室って、どこだっけ?」
「ヒコッ?!」(はい?!)

あまりに大きい敷地なので迷ってしまったらしい。数日前に来たはずなのに。
※ちなみに、フェリシアは方向音痴ではないです。

「あれ、フェリシアじゃねぇか?」

声をかけてきたのは、

「えっと、桑原君、だっけ?」
「おう。で、どうしたんだ、こんなところで」
「実は、職員室に行きたいんだけど場所がわからなくって...」
「なら、俺が案内してやるよ」
「え、いいの?!」
「ああ。困った時はお互い様だろ」
「本当?ありがとう桑原君!」
「ジャッカルでいいぞ。苗字呼びはどうも慣れねぇんだ」
「わかった。じゃあ私のこともフェリでいいよ」
「おう」

こうして、ジャッカルの案内の元、フェリシアとフィアンナは職員室に辿り着くことが出来たのでした。
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