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蒼い月

第9章 計画と準備


「...に、」
「え?」
「女の癖に、偉そうなことを言うな!」

豪華なソファーから立ちあがる吉沢。その手にはモンスターボールが2つ握られている。

「思い知らせてやれ、ペルシアン引っ掻く、グランブル噛みつく!」
「まずい、フェリシア!」

二匹の攻撃がフェリシアに当たる瞬間だった。

「...」
「...シャウ?!」
「...ガウ?!」
「ヒーコォォ!」(とりゃぁ!)
「シャウ?!」
「ガウゥ?!」

フェリシアに睨み付けられたペルシアンとグランブルは動きを止め、フェリシアに頭を下げた。自分より強いと認めた相手にする服従の姿勢だった。一瞬怯んだ隙をみてフィアンナが2匹にマッハパンチを食らわせ、教室の隅に吹っ飛ばした。

「吉沢校長、今のは誰に攻撃しようとしたのですか?」

冷ややかな声でフェリシアは問いかけた。

「ポケモンを使って人間に攻撃するのは犯罪だと、教育者の貴方が知らないはずはないですよね」

おもむろにフェリシアはポケットから何かを取り出した。

「今の会話、録音させてもらいました。これをジュンサーさんに渡せばどうなるか、貴方、解りますか?」

ボイスレコーダーを吉沢の目の前に突き出し、フェリシアは言った。

「なっ、あ...」

吉沢の顔は真っ青を通り越して真っ白になっている。

「貴方の今までの発言、立派な名誉毀損ですよ」
「た、頼む、止めてくれ!」

吉沢はフェリシアに向かって土下座した。

「じゃあ、私の頼み、聞いてくれます?」
「聞く!なんでもする!だから、ジュンサーさんに連絡しないでくれ!頼む!」
「その言葉、信じていいんですね?」

確認するように呟くフェリシア。そして彼女は誰も予想していなかった「頼み」を言った。










「なら、私をこのスクールに転入させてください」













「ヒコヒコ」(やっぱり)
「何?!」
「フェリシア、思いきったことを...」

呆れるフィアンナと驚愕する吉沢と苦笑いのプラターヌ博士。
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