第7章 波乱の講習会
「いい気になりやがって、赤く染めてやるぜ!デルビル!」
切原が出したのはデルビル。
「デルビルか...誰で行くかな...ん?」
腰に着けたボールの一つがカタカタと揺れている。
「(女を馬鹿にされたのが許せないのね)MyBestFriend、ローズマリー!」
「ジャーロォ!」
フェリシアは女を馬鹿にされたことを怒ってると思っているが、実はローズマリーは少し違うらしい。自分の大切なマスターを馬鹿にされたことが彼女は許せなかったようだ。尻尾をフィールドに叩きつけながら赤也とデルビルを睨み付けている。
「炎タイプのデルビルに草タイプって、舐めてんのか?!」
「ローザがバトルしたいって言ってるからその意志を尊重しただけ。それにバトルの勝敗はタイプ相性だけじゃ決まらないでしょ」
この一言がさらに彼を怒らせたらしい。
目が真っ赤になった。
「...アンタ、潰すよ...デルビル、スモッグだ!」
先手を仕掛けてきたのは切原。効果抜群の技で攻めてきた。
「霧払い!」
「は?!」
ローズマリーの周りに発生した風がスモッグを打ち消す。
「今度はこっちの番だ、ローザ、アクアテール!」
素早くデルビルの前へ移動したローズマリーは、水を纏った長い尾をデルビルにぶつけた。効果は抜群。デルビルはもうフラフラだ。
「まだだデルビル、火炎放射!」
「エナジーボール!」
効果抜群の技を受けたせいか、威力が格段に落ちた火炎放射をエナジーボールが打ち消し、そのままデルビルにクリーンヒットした。
それでもまだ立ち上がるデルビル。
「(根性はかなりあるみたいね...でも)チェックメート、ローズマリーハードプラント」
地面から大量発生した巨大な植物がデルビルを飲み込み、土煙が発生した。
煙が晴れると、デルビルは目を回してフィールドに横たわっていた。
「デルビル戦闘不能、ジャローダの勝ち、ね...お疲れ様、ローズマリー」
「ジャロジャロ」(フェリもお疲れ様です)
「嘘、だろ...」
呆然と立ち竦む切原に、ローズマリーをボールに戻しながらフェリシアは近づいた。