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蒼い月

第7章 波乱の講習会


「はじめまして、僕はプラターヌ。カロス地方でメガ進化について研究しているんだ。今日はメガ進化について、いろいろ知ってもらえたらいいと思うよ」

大きな講堂のなかで講習会は始まった。最初は講義なので、フェリシアは手持ち無沙汰げにしていた。

「暇」
「ヒコヒコォ~」(そんなこと言ったって~)
「だってこの講義の内容、全部頭に入ってるし」

自分の父の研究論文は全て読んだのだから当たり前か。それに、自分だってメガ進化は使いこなしている。何が最も大切なのか、その他諸々も全て父から学び、自分でも体験した。

「許可は一応貰ってあるし、先にフィールド行ってウォーミングアップしとこう」
「ヒコヒコ」(そうだね)

そうして1人と一匹は抜け出した。


その様子を、じっと見ていた人物に気付かずに。









そしてフィールドに着いた1人と1匹。

「大きなフィールドだね」
「ヒコヒコ」(そうだね)
「壊さないように気を付けなきゃ」
「ヒコ、ヒーコ」(多分無理だと思うよ)

「おい、アンタ」

振り向けば、そこにいたのは先日研究所にいたくせっ毛の少年。
確か、柳達から赤也と呼ばれていた少年だ。

「何の用?」
「俺とバトルしろ」
「は?」
「ヒコ?」(は?)

この突然の申し出に目が点になる1人と一匹。

「昨日丸井先輩に勝ったのは偶然だろ、だから俺が証明してやる。女が男に勝てるわけねぇってこと」

切原の目は若干赤く充血している。

「良いわよ」

心底呆れたようにフェリシアは答えた。

「ただね、もし私が勝ったら今のその発言、取り消して」
「勝てたらの話しだろ」
「勝つわよ」
「はぁ!?」
「女を馬鹿にしてる奴が、バトルに勝てるわけない」


真っ直ぐ切原を見据え、フェリシアはいい放った。


「来なよ。女を馬鹿にしたこと、後悔させてやるから」
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