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蒼い月

第7章 波乱の講習会


「君、散々女の子を馬鹿にする発言してたけど、それって犯罪だってこと知ってる?」
「は、犯罪?!」
「侮辱なんて完全な犯罪よ。それに、女がバトルに勝てるわけないってそれ、現カロスチャンピオンと現シンオウチャンピオンの努力どころか存在すら否定しているようなものよ」
「カロスとシンオウのチャンピオン...?」
「その様子だと知らないみたいね。カロスとシンオウの現チャンピオンは二人とも女性よ」

フェリシアの言葉に、切原は目を剥いた。本当に知らなかったらしい。

「君、ニッポン地方から出たことある?」
「ねぇけど...」
「なら、女を馬鹿にする発言は世界をみてからにしなさい。この世界にはトレーナーだけじゃない、ジムリーダーとして、四天王として、チャンピオンとして活躍している女性がたくさんいるの」

フェリシアは切原と目線を合わせるようにかがんだ。

「人を馬鹿にする発言は、相手側の事を良く知ってから。それに、女性を馬鹿にする発言は私に勝ってからにしなさい。まぁ、今の状態じゃ私に勝つなんて10年早いけどね」

そう言って笑うフェリシアに、切原も自然と笑顔になった。

「あの、」

切原はフェリシアの目をじっと見つめた。

「アンタの事、馬鹿にしてすんませんでした」

そう言って頭を下げる切原。

「でも、次こそは俺が絶対に勝ちますからね!」

息巻く切原に、フェリシアは苦笑した。

「はいはい。んじゃ、改めてよろしくね、切原君」
「赤也でいいっすよ、フェリシアさん」
「私もフェリでいいよ、赤也君」
「ガウ....」(赤也...)

デルビルが起きあがり、そっと赤也の手を舐めた。

「ありがとなデルビル、頑張ってくれて」
「ガウ、ガウガーウ」(次、勝てるようにもっと頑張るな)
「赤也君のデルビル、良く育てられてるね」
「そうっすか?」
「えぇ、それにデルビルも赤也君もお互いの事が大好きなのね」
「そりゃぁずっと一緒にいる友達ですから!」
「ガウ!」(そうだ!)

同じような顔をして頷く1人と一匹に、フェリシアはこの少年の成長が楽しみだと密かに思うのだった。
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