第7章 波乱の講習会
次の日。
プラターヌ一行はリッカイ学園にいた。
「結構おっきいスクールなんだね」
「ここは生徒数も多いですから。講習会を行うのはここの海遊会館ってところで、バトルをやってもらうのは少し離れたところにあるバトル部のフィールドです」
「そういえば、バトルの相手って誰なんですか?」
「確か蓮二君だと聞いているよ」
「あの糸目の子だね」
「彼はリッカイ3強の1人、データバトルを得意としている。一筋縄では行かない相手だよ」
「なんだかワクワクしてきた!」
「ヒコッ!」(私も!)
学園の門をくぐれば、一行は好奇の目にさらされた。学園のあちらこちらから聞こえてくるひそひそ声。
「白波先生と一緒にいるのって...」
「まさか、カロスのプラターヌ博士じゃないか?」
「つか、あの女子誰よ?」
「美人だなぁ」
「...何か、居心地悪い」
フェリシアはポツリと呟いた。
そしてIN校長室。
「プラターヌ博士、お待ちしておりましたよ。ようこそ、我がリッカイ学園へ。私が校長の吉沢勉です」
リッカイ学園の校長室で一行を待ち構えていたのは、吉沢という中年男性。この学園の校長である。
「吉沢先生、お招きいただいて光栄です。こちらは僕の娘のフェリシアです」
「はじめまして、フェリシアです。こっちがパートナーのフィアンナです」
「娘には、今日の講習会でバトルをやってもらうつもりでいます」
吉沢校長の目が卑しく光った。
「ほう、女子の身で我が校の3強とバトルですか」
「いけませんか?」
フェリシアは静かに問いかけた。少しキレているのだろう、視線に殺気が混ざっている。
「...っ、いえいえ、ただ、女子がバトルなど珍しいと思っただけですよ」
フェリシアの殺気に圧倒されたのか、吉沢校長は冷や汗をかきながら弁解した。
「(女の子を馬鹿にする発言が多いな...)では、本日はよろしくお願いいたします」
波乱の講習会が今、幕をあげる。