第29章 対策会議
「まずデスサイズ団の目的はポケモンの強奪。またブレーンのポケモンやメガ進化出来るポケモンを狙っていたことから、ある程度能力値が高いポケモンがターゲットと思われる。また、ポケモン確保に愛宮財閥も使っていたが、足が着かないよう証拠隠滅は徹底的にしていた」
静かな声が部室に響く。
「目的は不明だが、デスサイズ団が行う実験は残虐非道そのもの、ポケモンも人間も物のように扱われていた...」
「......っ」
歯をくいしばるフェリシア。
「ポケモンの力を扱える人間と、人間の姿に変化出来るポケモン、か......」
「...そんな人間やポケモンがそこらじゅうに居ったら、どうなるんかのぅ......」
幸村と仁王が呟いた。
「え?」
「フェリ、どうした?」
「雅治、今何て言った?」
「は?『そんな人間やポケモンがそこらじゅうに居ったら、どうなるんかのぅ』と......」
「......」
「フェリ?」
黙りこくってしまったフェリシア。
「...ねぇ、私達みたいなのが突然攻撃してきたら、どうする?」
「は?」
「どうしたんじゃ突然」
唐突なフェリシアからの質問に疑問符を浮かべる少年達。
「攻撃してきたのがポケモンだったらバトルでどうにか出来るけど、襲って来たのが人間だったら?近くにいたポケモンが突然人間の姿に変わったら?」
「「「「「「「「?!?!」」」」」」」」
フェリシアの言いたい事がわかったらしい。少年達は驚愕の表情を浮かべた。
「それは...」
「攻撃出来るわけ、ない......」
「......あくまで仮定でしかないが、それは、もう...一種の兵器だ..」
「兵器って、それじゃフェリ達は...」
部室内はしんと静まり返ってしまった。
そんな静寂を破ったのは、フェリシアだった。
「......ごめんね」
「何でフェリが謝るの」
「だって、私がこの地方に来なければ、皆のこと巻き込まずにすんだのに」
「俺達が望んで巻き込まれたんだ。お前が気にすることじゃない」
「でも...」
段々涙声になっていくフェリシア。この前の一件で心の壁が剥がれたせいか、以前にもまして感情を表に出すようになっていた。