第28章 少女の背負うモノ
「は?!ミュウに、ゼルネアスって、」
「んな、まさか...?!」
驚愕を顔に浮かべる少年達。
「信じられなくって当然だと思うよ。僕も最初は信じがたかったし」
「...しかし、ミュウには全てのポケモンの遺伝子が含まれていると言われている......その遺伝子を持つフェリシアが様々な技を扱えても何の不思議もない」
「そう言えば、フェリシアってキレると目にXみたいな模様見えるよな」
「じゃぁ、サイキッカーと波動使いの素質と目の模様って...」
「...全部、ミュウとゼルネアスの力があったからだよ」
疲れたような顔でプラターヌ博士は呟いた。
「...あれ?でも何でそんな大事なのにフェリシアさんのこと知らないんだろ俺達?それだけの事件だったらニュースにもなってる筈だし」
赤也が首を傾げた。
「フェリシアについては国際警察が守っていてくれたからマスコミに報じられたのは性別と、身体に起きた異変、それから一体どんな待遇を受けていたのかぐらいなんだ」
「あれ?じゃあフィアンナはなんで......」
「...フェリシアにフィアンナのことは言わないで欲しいって頼まれたんだ...この子達にこれ以上辛い目に遭って欲しくなかったから承諾したけど、本当ならこの件も言わなくちゃいけなかったんだ」
「つまり、フェリシアとフィアンナの過去を知っている人って、」
「...この場にいる僕らだけ、だよ」
静まりかえる室内。そこへフィアンナが口を開いた。
「...でも、今日の事件で誰がこんな事をしているのかは判明した」
「え?」
「デスサイズ団、かい?」
「うん...そして多分黒幕が、」
「......『ミスターS』だと思う」