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蒼い月

第26章 エキシビションバトル


「今度はこっちからだ!フィー、火炎放射!」
「エーフィかわして!」
(あれ...?)

何か違和感を感じた幸村。

「サイコキネシスで火炎放射を押し戻して!」
「ストーンエッジで防いで!」
「エーフィ!ストーンエッジにもサイコキネシス!」
「だったらフィアンナ、ストーンエッジにマッハパンチ!」

息つく間もない技の応酬に観客席は目を反らす間もない。
それはフィールドのブレーン達もそうだろう。ほんの一瞬でも気を抜けばすぐにやられてしまうだろう。

(そうか、フェリは...)

幸村は違和感の正体がわかったようだ。

(もしかして、あのシンクロのような能力は集中しないと出来ない、だから、その余裕を消すつもりなのか...?)

柳も薄々感じ取っていたようだ。
事実、フィールドのリラの顔には若干の焦りの色が浮かんで見える。しかし、それはフェリシアにとっても同じこと。

(そろそろ限界かも...私も、フィアンナも、リラ達も...)
(そろそろ決めないと...私も、エーフィも、フェリシア達も...)

((次で決める))

「エーフィ、破壊光線!」
「フィアンナ、ブラストバーン!」

禍禍しいエネルギー光線と地上から沸き上がる高熱の炎がフィールドの中央でぶつかり合い、そして、


ちゅどっばーーーーん!!


今までに誰も見たことの無いほどの爆発を起こした。
そして、

「フィ~」
「ヒコォ~」

今の今までぶつかり合っていた2匹のポケモンはフィールドの中央で倒れていた。

「......ぁ、え、エーフィ、ヒコザル、共に戦闘不能!よってこのバトル、引き分け!」

エニシダがコールを行っても、しばらくは誰も何も言わなかったがやがて我に帰ったのか、凄まじい歓声に包まれた。

「リラ、お疲れ様。とっても楽しかったよ......フィアンナ、ありがとう」
「フェリシア、こちらこそ、久しぶりにバトル出来て良かったよ......エーフィ、よく頑張ったね」

フィールドの中央でお互いのパートナーを抱き上げ、固く握手をする二人のフロンティアブレーン。
その光景はこの場のほとんどの観客席の連中の男尊女卑思考を鈍らせただろう。
上手く行ったとエニシダは内心ほくそ笑んだ。


しかし、そんな空間が出来上がったのもつかの間のことだった。
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