第23章 青春な彼等
「フィアンナ、穴の中に大文字!」
「嘘だろ?!」
狭い空間に、威力の高い技。逃げ道など何処にも無い。
ミジュマルは大文字を諸に食らってしまう。
しかし、その様子は外からは伺い知ることは出来ない。
「くそっ、ミジュマル!」
リョーマが呼び掛けた瞬間、
どーーん、がらがらがらっ!
派手な音を立ててドーム状の岩が崩れ落ちた。
そしてその中からは、所々黒焦げがついたミジュマルが。しかしまだ戦闘不能にはなっていないようだ。
「ミジュマル、大丈夫か?!」
「ミ、ミッジュ!」(うん、なんとかね!)
「...やるじゃん、フェリシアさん」
「そっちこそ」
ボルテージが上がっていく二人。
「うわー、あの越前が燃えてるぜ」
桃城も目が離せない様子。
...しかし、このバトルに水を差すような事態が発生する。
ピリリリリ、ピリリリリ、
「ん?」
「え?」
「へ?」
「ほ?」
「え、あ...ごめんなさい!私のだ!...はい、フェリシアです...今ですか?...セイガクシティですけど...今すぐですか?!...えぇ、はい、はい...わかりました、すぐ行きます...」
どうやらフェリシアの端末に連絡が来たらしい。
「ヒコヒコ、ヒーコ?」(フェリシア、誰だった?)
「白波博士。ちょっと今すぐ帰ってこいだって」
「え、何?フェリシアさん帰っちゃうの?」
不機嫌そうなリョーマ。