第23章 青春な彼等
「えぇ。ごめんねリョーマ君。この続きはまた今度」
「ちぇ」
「呼び出しなら仕方ねーな、仕方ねーよ」
むくれるリョーマを宥める桃城を横目に、フェリシアはフライゴンのカポネを出した。
「カポネ、白波研究所までお願い」
「フリャ」(了解)
「それじゃ、リョーマ君、桃ちゃん、英二君、桜乃ちゃん、またね!行くよフィアンナ!カポネ、空を飛ぶ!」
「まったね~フェリちゃん!」
「ありがとうございました!フェリシアさん!」
四人に見送られ、フェリシアはセイガクシティを後にした。
「...次会ったら決着つけようね、フェリさん」
(うわぁ、越前にライバル認定されたぞフェリさん...by桃城)
フェリシアに新しいライバルが出来た瞬間だった。
※こっから副声音で。
INニッポン地方上空
「んで、一体何で呼び出しなんざ食らったんだ?」
「国際警察の人が来てるんだって」
「誰なのかは言ってた?」
「ううん」
「...この前のミロカロスの一件か?」
「かもね」
フェリシアの目の前に広がる空は、少しずつ黒くなっていく。もうすぐ雨が降るのだろう。
「...嫌な天気になってきやがった。お嬢、フィー、飛ばすぞ」
「「了解」」
飛行速度をあげるカポネ。
眼下に広がる、広大な地方。
それは少しずつ、気付かれない内に、何かに蝕まれていく。