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蒼い月

第23章 青春な彼等


「イデデデデ!」
「福士さん、大丈夫ですか?!」
「てめぇ、福士さんに何し、やが...る...」
「?」

福士さんと呼ばれた男を庇うようにいきり立つ男達。しかし、フェリシアの顔を見た瞬間、その声はだんだん尻すぼみになっていき、顔色も青くなっていく。

「お前は...」
「ふ、福士さん、こいつですよ!」
「リッカイで俺達にケンカ売ってきた女!」
「何?!」

はてさて皆様は覚えているだろうか?
初めてフェリシアがニッポン地方へ来たその日、幸村の妹にちょっかいを出してフェリシアとポケモン達によってボッコボコにされた3人組を(第3章 遭遇 を参照)。
そして、当の本人は...?

「...誰だっけ?」
「ヒコ」(オイ)

...忘れておりました。フィアンナは覚えてるみたいだけど。3人組も流石にそれにはキレたのか、

「おいおい、俺達を忘れただと!」
「なめてんのか?!」

と、先程までのへっぴり腰は何処へやら、一気に強気になる。

「...あぁ、精羅ちゃんにちょっかい出してた奴らか。まだ懲りないの?」

女の子一人に男数人なんて許せないフェリシア。

「なんだお前ら、こんな弱そうな女に負けたのか?」

声をあげたのはフェリシアに腕を捻りあげられていた男。
確か、福士と呼ばれていたか。

「何処をどう見て弱いと?」
「はっ、そんな未進化の弱っちいポケモン連れてる女が男に勝てるわけねぇだろ。そんなこともわかんねぇのか?」

完全にフェリシアとフィアンナを馬鹿にしている声色にフェリシアはとうとうキレた。

「じゃぁ、確かめてみる?」
「あ?」
「そこの3人組負かしたのが本当に私なのか、女は男に勝てるわけないっていうことを」

蒼い瞳にXの紋様が浮かび上がる。

「いいぜ、やってやるよ」

福士は余裕綽綽である。

「あぁそうだ、もし俺が勝ったら、お前のポケモン全部寄越せよ」
「は?」
「どーせ未進化しか連れ歩いてないんだろ?だったら俺が育ててやるよ」
「ギンカの福士さんに育ててもらえるんだ!光栄に思えよ!」

まだ勝敗は決まってないにも関わらず、調子に乗る福士達。

「ヒコキャ」(コイツらアホか)

フィアンナも呆れ顔。

「はいはい。別にいーよ。負ける気しないし」

フェリシアも呆れっぱなし。
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