• テキストサイズ

蒼い月

第23章 青春な彼等


「...俺とバトルしてくんない?」

...どうしてこうなった?
思わず空を仰ぐフェリシア。
目の前には帽子を被った少年。

事の発端は、フェリシアとフィアンナが休日に隣街へ出掛けたことだった。







『次は~セイガクシティ~セイガクシティ~』

とある休日。
フェリシアとフィアンナはリッカイシティの隣街であるセイガクシティへと来ていた。
何でも、新しいショッピングセンターが出来たらしい。

「セイガクにもジムってあるんだって」
「ヒコヒコ?」(専門は?)
「飛行タイプだって、蓮二君が言ってた」

一人と一匹で会話をしていれば、見えてきたのは巨大なショッピングセンター。

「結構大きいね」
「ヒコヒコー」(本当ねー)

まぁ外見が大きければ中の店舗の数も半端ではなく。

「あ、この雑貨可愛い」
「ヒコ、ヒコヒコッキャ!」(フェリ、彼処のお店行ってみようよ!)
「うん!」

店を冷やかしたり、可愛い雑貨を買ったりして過ごしていた。
そして、数時間後。

「あ~くたびれた~」
「ヒ~コ~」(広いよここ~)

流石にはしゃぎ過ぎたのか、ベンチでぐでっとなる一人と一匹。

「ヒコ、ヒコヒコ」(フェリ、アイス食べよう)
「そうだね。暑いし」

ベンチから立ちあがり、アイス屋さんを探し始めた。











「ヒッコ~」(美味し~)
「ヒウンアイスも好きだけど、ニッポンのアイスも美味しいね。これシロナさん好きそう」

ベンチに腰かけながらアイスをパクつく一人と一匹。
その時だった。

「や、やめてください!」

女の子が叫ぶ声が聞こえたのだ。

「...何処の不届き者?」
「ヒコ...」(全く...)

フェリシアの声が1オクターブ下がった。残りのアイスを平らげると、声のした方へ走る。
声の発生源は広場にいたみつあみお下げの女の子。腕にはチェリムが抱かれている。フェリシアと歳があまり変わらなさそうな男4人に囲まれ、内一人に腕を掴まれている所を見ると、どうやらナンパに会っているらしい。

「やめなよ。嫌がってんでしょ」

素早く駆け寄り、腕を掴んでいる手を捻りあげた。
/ 196ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp