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蒼い月

第22章 稲妻と波動


「グルルルル...」

ラクライはフェリシアの左肩に噛みついたまま離れない。逆に、フェリシアはラクライをそっと抱き締めるが、そんなんでラクライの警戒が解ける訳がない。
やがてフェリシアの肩に血が滲み始めた。

「どーするんだよい!このままじゃフェリが」
「だからといって、今攻撃すればフェリにも当たるぞ!」

リッカイバトル部員達にもなすすべがないようだ。
しかし、ここで幸村があることに気づく。
フェリシアのパートナーであるフィアンナが全く動じていないことに。

(確かに、ヒノアラシの時と状況は似ているけど、ここまで動じないものなのか...?)

幸村の疑問はやがて、思いがけない形で解消されることになる。


























「...波動は、我に有り...」























「え...?!」
「これは?!」

フェリシアの身体が、突然淡く蒼く光りだしたのだ。
その光はゆっくりとラクライを包み込んでいく。

「...大丈夫、怖くないよ」

そっとラクライの身体を撫でるフェリシア。いつの間にかラクライはフェリシアの肩に噛みつくのを止めていた。
だんだんラクライの目は眠たそうにトロンとし始める。

「側に居るから、寝ても大丈夫だよ」
「...ライ......」

やがてラクライはフェリシアに完全に身体を預け、目を閉じた。

「ふぅ...」

一息つくフェリシア。そのままラクライを抱き上げた。
(...ちょっと待てラクライの平均体重は15.2kgだぞby柳)

「フェリ、大丈夫?」
「私は大丈夫だけど、この子は早く処置しないと」
「早く保健室に」

そそくさと移動するリッカイバトル部員達。
その場にはあんぐりとした表情の教師陣が残された。
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