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蒼い月

第3章 遭遇


「先攻は譲ってやるぜぃ」
「そう、なら遠慮なく...フィー、猫騙し!」
「何?!」
「ヒコザルが猫騙しとは珍しいな」
「怯むなトドグラー!アイスボール連射!」
「これを交わすのは難しいな」
「勝負、ありましたね」

しかし、バトルは少年たちの確信を思いがけない形でひっくり返したのだった。

「フィー、雷パンチ!」
「は?!」

何とヒコザルは雷パンチでアイスボールを全て打ち返したのだ。アイスボールはよく見ると電気を帯びている。水タイプを持つトドグラーに当たればダメージは大きいだろう。

「ちっ、トドグラー守る!」

咄嗟に守るで防いだはいいが、気がつくとヒコザルがいない。

「一体どこに...?」
「っ!丸井、上だ!」
「なっ?!」

何とヒコザルはいつの間にか高く飛び上がっていたのだ。

「フィアンナ、ソーラービーム!」
「ソーラービームはエネルギー充填までに時間がかかる...よし、行けるぞ!トドグラー絶対零度!」

しかし、それは失敗する。

「発射!」


ちゅどーーーーん!


ソーラービームは予想よりも早く発射され、トドグラーに直撃した。
煙が晴れると、トドグラーは目を回して倒れていた。

「トドグラー戦闘不能、ヒコザルの勝ち!」
「フィー、お疲れ様」
「ヒコヒコッ」(フェリもね)
「嘘だろ...」
「丸井先輩のトドグラーが、一撃で...」
「それにあのソーラービーム、発射までに全く時間が掛かってない」

少年たちがざわつく中、膝から崩れ落ちた赤毛の少年に向かう帽子の少年(?)がちらりと視界にはいった。少年(?)は拳を振り上げ、そして...


ガシッ


殴った時の鈍い音が響かなかったのは、フェリシアが拳を掴んで止めていたからだ。しかも片手で。

「何をするのだ!」
「それはこっちの台詞。何故殴ろうとしたの」
「我々に負けは許されない。故の制裁だ」
「他にやり方あるでしょ、殴ることなんて必要ない。それに、殴った場所の打ちどころが悪ければ二度とバトルができない身体になる、最悪死ぬかもしれない。それをわかっててやっているの?後、バトルに勝つことってそんなに大事なこと?」
「な...!?」
「...勝つことだけが全てじゃないでしょ?」

ミシッというやな音が聞こえた気がした。
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