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蒼い月

第3章 遭遇


「こちらはカロスのプラターヌ博士、僕の大学の先輩で、今度スクールで講習会をやってもらうんだ」
「あのメガ進化の!」
「まさかここで会えるとはな」
「では、こちらの女性は?」

眼鏡を掛けた少年はそこまで警戒していない様だった。

「彼女はフェリシアちゃん。プラターヌ博士の娘さんで、今回の講習会でバトルをやってもらうんだ」
「女がバトル?」

赤毛の少年が小馬鹿にしたように呟いたのをフェリシアは聞き逃さなかった。

「女がバトルしちゃいけないかしら?」
「いんや、でも女が男に勝てるわけないって思ってな」

この一言にフェリシアがキレた。

「じゃ、バトルしよ」
「は?」
「女だって男に勝てるってこと、証明してあげる」
(あぁ...フェリ、怒ってるな...)

プラターヌ博士は長年の勘で自分の愛娘が静かにキレているのを感じていた。

「すみません先輩、不快な思いをさせてしまって」
「いや、大丈夫だよ。...むしろ僕が謝る方になるかもね」
「?」
「多分フェリ、彼のことボッコボコにしちゃうかもしれないから...」

遠い目をするプラターヌ博士に白波博士と少年たちは首を傾げた。
審判は白波博士がする様だ。

「使用ポケモンは一体、どちらかのポケモンが戦闘不能になったらバトルは終了だよ。いいかい?」
「えぇ」
「もちろんだぜぃ」
「では両者ポケモンを」
「天才的にいくぜぃ、トドグラー!」
「やっぱり丸井はトドグラーか」
「彼女、どんなポケモンを出すのだろう」
「アイツがどんなポケモンを出してこようと、丸井先輩に勝てるわけないっすよ」
「丸井が勝つ確率、99%」

少年たちが赤毛の少年の勝利を確信するなか、プラターヌ博士と先程のバトルを見ていた白波博士と精羅は逆にフェリシアが勝つのではと思っていた。

「MyBestPartner、フィアンナ!」
「は、ヒコザル!?」
「圧倒的に不利ではないか」
「こりゃ楽勝だな」
「...」

そのなかで、精市と呼ばれていた少年と精羅だけが終始無言だった。
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