第20章 母の愛情
そして、午後は他の仮部員メンバーも弦右衛門とバトル(こっちは一対一。勿論弦右衛門が瞬殺した)し、レギュラーメンバーもバトル(こっちも一対一。若干競り合ったがやっぱり弦右衛門が全勝した)し、あっという間に夕方になってしまった。
そして、ジムの外。
「弦右衛門さん、本日はお忙しい中、俺達とバトルして下さってありがとうございました!」
「いや、こちらも久しぶりに楽しかった。また来たらいい...ところで、フェリシアさん、」
「?はい」
突然フェリシアを呼び止める弦右衛門。
「お前さん............弦一郎の嫁にならんか?」
「え?」
「ヒコ?」(え?)
「は?」
「ん?」
「うぇ?」
「「「「「「「「「「「ええええぇぇぇぇぇぇぇぇ?!?!」」」」」」」」」」」」
辺り一面に絶叫が響き渡る。
「お、お祖父様、一体何を?!」
「何じゃ弦一郎」
「何じゃではありません!」
「いいではないか。お前の母御だって喜ぶじゃろう?」
「しかしですね...」
フェリシア達をよそにヒートアップする真田と弦右衛門。
とそこへ、救いの神がやって来た。
「二人共、何やってるの?家の中まで聞こえてましたよ」
真田の母である。
「お義父様、弦一郎のお嫁についてはこの子がリッカイジムを継いで、落ち着いてから考えると決めたでしょう。それに弦一郎も、ここは外なんだからそんな大声出さないの」
「「す、すまん.../すみません...」」
「...真田のかーちゃんってスゲーな」
「...そーだな」
あっという間に言い合いを終息させた真田の母に、ブン太が素直な感想を述べた。
「ごめんなさいねフェリちゃん、家の人達が勝手に」
「あ、いえ、大丈夫です。ちょっとびっくりしたけど」
「ヒャーコ...」(ホントにね...)
「無理かもしれないけれど、あまり気にしないでね♪」
「...っ」
お茶目にウインクをした真田の母に、フェリシアは声が出なくなった。