第20章 母の愛情
「路頭に迷って、もう何も信じられなくなってた私とフィアンナに手を差し伸べてくれたのがプラターヌ博士だったの」
「......」
「あの頃はまだ何にもわかんなかったけど、パパには結婚を前提にお付き合いしてた女性がいたんだって...,私が来たことで破談になったらしいんだけど。でも、私が正式に養子になってからは、女性とお付き合いすることはなかったわね」
「だから私には、ママが居ない。今も、これからも」
「......ならば、」
今までずっと黙っていた真田が口を開いた。
「たまに、家に来ればいい」
「え?」
「家は男所帯だから、母上が喜ぶ」
「...いいの?」
「あぁ」
「......ありがと......後、この前はごめんね、真田君」
「...弦一郎、」
「え?」
「下の名前で呼べと言っておるのだ」
「えっと、弦一郎君?」
「...何だ///」
顔が若干赤い真田。
「ふふっ...ううん、何でも無い」
「な、何故笑うのだ?!」
「だから何でも無いってば!」
顔を真っ赤にする真田と笑いを堪えきれないフェリシア。そこに微笑ましい空間があったことを知るのはフィアンナだけだった。
IN真田家のリビング。
「お待たせ~お昼ご飯持ってきたよ~」
昼食を持って現れたフェリシア達を見て真っ先に飛び付いたのが、
「うっほぉ~い!飯、飯ぃ~!」
大食いのブン太である。
「めっちゃ美味そうっすね」
「フェリが作ったのか?」
「ううん、作ったのは弦一郎君のママさんだよ。私は手伝っただけだし」
「「「「「「「?!」」」」」」」
リビングが水をうったように静かになり、リッカイバトル部員達は一斉に真田へと顔を向けた。
「...な、なんだ」
「い、いやぁ...」
「別に...」
(弦一郎の顔が若干赤い...フェリと何かあった確率98%By柳)
「?どうしたの皆?お昼ご飯冷めちゃうよ」
フェリシアは何故突然こんなに静かになったのかわからないらしい。
(フェリシアは鈍感なのか...いいデータが取れたBy柳)