第19章 ドラゴンの猛攻
「何か、フェリには策がある。それこそ、俺達が想像出来そうもないことを」
静かな声で呟く幸村に、周りは何も言えず、ただフィールドを見つめた。
「眠るも威張るも封じられるとは...しかし、それこそ戦い甲斐があるもんじゃ」
心なしか楽しそうな弦右衛門。
「さぁ行くぞ!竜の波動!」
「ギャァ...?!」
「どうしたんじゃボーマンダ?!」
よく見れば、ボーマンダの右足が若干赤くなっている。
「あれって...!」
「あぁ、火傷だ」
「さっきのフレアドライブの追加効果か...」
「治そうにも眠るが使えない今、フェリが有利だ」
「火傷ならば仕方ない。が、ここでくたばる訳にはいかん!ボーマンダ、地震じゃ!」
「まずい!フィー、足場を作れ!」
地震が発生するより一瞬早く、フィアンナはストーンエッジで発生した岩を使って空へ逃げた。が、
「甘い!アイアンテール!」
「しまった!フィー!」
バッコーン!
空へ逃げたは良いものの、そこにはボーマンダが待ち構えており、アイアンテールでフィアンナをフィールドに叩きつけた。
「やっぱり、読まれてたか...フィー、大丈夫?」
「ヒコ...」(なんとかね...)
(そろそろ蹴りを着けないと...さっきのアイアンテールが痛かったな。フィアンナも限界に近いし...)
「ボーマンダ、アイアンテールじゃ!」
「(一か八か!)フィー、相手の動きをよく見てて!」
「ヒャッコ!」(了解!)
「フェリ、何をする気だ...?」
ボーマンダが先程同様、フィアンナをフィールドに叩きつけようとした瞬間だった。
「あれ?」
何とフィアンナが消えたのである。
「え?フィアンナ、何処行った?」
「あ!あそこだ!」
ジャッカルの指差す先には、ボーマンダの尻尾にしがみつくフィアンナが。
(あの一瞬でボーマンダの尻尾に飛び移ったというのか?!)
真田も驚きを隠せない。
「ボーマンダ、振り落とせ!」
「フィー、そのまましがみつけ!フレアドライブ!」
「なんじゃと?!」
何とフェリシアはフレアドライブを指示したのだ。勿論、フレアドライブは自身が燃えて相手に突っ込む技。それを尻尾にしがみつかれたまま発動されれば...?