第19章 ドラゴンの猛攻
「ついでにドレインキッス!」
「ラスターカノンで引き離せ!」
「今だ!目覚ましビンタ!」
「何?!」
ビッターン!
「うわぁ、痛そうな音...」
「俺、朝あれで起こされたっす」
「...そこまで赤くなった理由がわかったぜ」
ラスターカノン発動の隙をついて攻撃したシラユキ。
赤也を起こす時にも使った目覚ましビンタでサザンドラを吹っ飛ばした。
「サザンドラ、トライアタック!」
「シラユキ、吹雪!」
サザンドラの三つの口から吐き出される三色の光線にシラユキは正確に吹雪を当て相殺していく。
「ほぅ、吹雪を操るとは、なかなか上手く育てとるのぅ...ならばこれならどうじゃ!竜星群!」
無数の竜星がシラユキ目掛けて降り注ぐ。
「シラユキ、竜星群にサイコキネシス!サザンドラにお返ししろ!」
「怯むでない!噛み砕くで破壊せい!」
シラユキがサイコキネシスで押し返した竜星群を、サザンドラは噛み砕くで破壊していく。そして破壊しながらシラユキに近づいていく。
その事にフェリシアが気づいたのは、サザンドラがシラユキの正面に来たときだった。
「止めじゃ!サザンドラ、ラスターカノン!」
「......」
黙りこくるフェリシア。
「...ごめんね、シラユキ―――、」
フェリシアが小さく呟いたその直後、
ドッカーン!
ラスターカノンがシラユキに直撃し、大爆発を起こす。煙が晴れれば、シラユキは目を回してフィールドに横たわっていた。
「...ユキメノコ、戦闘不能!サザンドラの勝ち!」
真田がコールしたその瞬間だった。
ドサッ
「サザンドラ?!」
なんとサザンドラも目を回してフィールドに倒れたのだ。
「え、何で?」
「ラスターカノンは反動技ではない...まさか、」
「...弦一郎、」
「っ、サ、サザンドラ、戦闘不能!」
「...シラユキ、ごめんね。頑張ってくれてありがとう」
「ようやった、サザンドラ」
お互いにポケモンを戻す二人。
「まさか道連れを使うとはのぅ...」
「この至近距離で交わすのは難しいし、相殺もちょっと厳しい。だったら一か八かで道連れを指示したんです」
「本当に面白いのぅ...やはり、あやつの言っとった通りか...」
「え...?」
弦右衛門の呟きはフェリシアには届かなかったらしい。