第18章 リッカイジム戦
「ではバトル開始!」
「こちらから行くぞ!ライチュウ、エレキフィールド!」
フィールドが電気を帯び、黄色く発光する。
「エレキフィールドか...」
「お互い電気タイプ、技の威力は上がりますね...」
「ヴィン、高速移動!」
フェリシアの指示で高速移動をするヴィンセント。何となく波乗りをしているようにも見える。
しかも...
「なぁ、フェリのライチュウ、動くの速くないか?」
ジャッカルの言葉通り、ヴィンセントの動きは通常のライチュウよりも素早く見える。
「元々ライチュウは素早さが売りのポケモンだが...,」
「でも、フェリのライチュウってアローラの個体なんでしょ?だったら、特性も通常の個体とは違うんじゃない?」
「あ」
幸村の言葉に何かを思い出したらしい柳が側に置いてあったフェリシアのバッグから白い何かを取り出した。
「それは?」
「ポケモン図鑑、ですか?」
「勝手に使って怒られないっすか?」
「フェリの許可は取ってある」
柳はフェリシアのポケモン図鑑をヴィンセントに翳した。
「ライチュウ アローラの姿。ねずみポケモン。ねんりきを じざいに あやつる。 しっぽに のると サイコパワーで うきあがり そのまま いどう」
無機質な音声がアローラライチュウのデータを読み上げる。
「サイコパワーってことは...」
「アローラの姿のライチュウは電気、エスパータイプということですか」
「特性は?」
「サーフテールと出ている」
「サーフテールって何だよい?」
「場がエレキフィールドになっている間、素早さが2倍になるというアローラライチュウ固有の特性らしい」
「今の状態はエレキフィールド...フェリに分があるね」
フィールドに目を向ける幸村。
「ライチュウ、チャージビーム!」
「ヴィン、こっちもチャージビーム!」
2つのチャージビームがフィールドの中央でぶつかり、爆発を起こす。
「中々やるのぅ...なら、転がるじゃ!」
「迎え撃つよ、電光石火!」
お互いが近づいて行く。そしてぶつかる寸前だった。
「今だ、カウンター!」
「何じゃと?!」
電光石火の勢いのままライチュウにカウンターを決めるヴィンセント。ライチュウはかなり吹っ飛んだ。