第18章 リッカイジム戦
「女子がいるとは、珍しいのぅ...」
その目はフェリシアに向けられている。
「はじめまして、ミアレシティのフェリシアと申します。こっちがパートナーのフィアンナです」
「ヒコ、ヒコヒコ」(よろしくお願いします)
鋭い目線に怯まずに見つめ返すフェリシアに、弦右衛門は笑みを浮かべた。
「...面白い。お嬢さん、ワシとバトルせんか?」
「「「「「「?!」」」」」」
驚愕する一同。実の孫である真田やフェリシアも驚きを隠せない。
「お祖父様?!」
「弦一郎、フィールドの準備と審判を」
「...はい」
流石の真田も祖父の言葉には逆らえなかった。
そしてフィールドで対峙する二人。
「使用ポケモンは一体。どちらかが戦闘不能になった時点でバトル終了です」
「待て弦一郎、一体ではなく、四体にせい」
「は?!」
これにはフェリシア以外全員驚いた。
「四体って、正規のジムバトルと同じ...」
「弦右衛門殿、どうやら本気のようだな...」
(相手はドラゴンタイプのエキスパート...どう出てくるか...)
「...では、両者ポケモンを」
「出陣じゃ、ライチュウ!」
「え?!」
なんと弦右衛門が繰り出したのは、ドラゴンタイプではなく電気タイプのライチュウ。
「(予想外だったけど...真田君のパートナーがピカチュウだってこと考えると何の不思議もないな...なら)MyBestFriend、ヴィンセント!」
「ラーイ!」
フェリシアが繰り出したのは、弦右衛門と同じ種族のライチュウ。しかし、何かが違う。
「あれは...ライチュウ、なのか?」
「違うポケモンじゃないのか?」
「まさか...リージョンフォーム」
「リージョンフォーム?」
「アローラ地方の環境に適応するために独自の変化を遂げたポケモンの姿のことだ。通常種とは姿のみならず生態も異っているらしい」
「じゃああれはライチュウのリージョンフォームということでしょうか?」
「俺も詳しくはわからないから確かなこととは言えない。しかし、98%の確率でそうだろう」
「...参謀でも知らんこともあるんじゃのぅ」
「アローラのライチュウか...」
真田が小さく呟いた。