第18章 リッカイジム戦
「...なんかフェリって時々男前だよな」
「...そうだな」
ちょっとぼーぜんとするブン太とジャッカル。
「フェリ、助かったぞ」
先程からずっと黙っていた柳が声をかけた。
「おはよ、蓮二君。さっきは突然電話掛かって来たからびっくりしちゃったよ」
「...どういうことだい?」
話についていけない幸村が尋ねた。
「今日も赤也が遅刻する確率99%だった。だから、家が一番近いフェリに迎えを頼んだんだ...まさかウインディに乗ってくるとは思わなかったが」
「ごめんなさい、だって赤也君なかなか起きなくって。時間無くなっちゃったからセンリに頼んだの」
「いや、これはフェリは何も悪くないよ...赤也、いつまで寝てるんだい?」
幸村は未だにフェリシアにお姫様抱っこをされている赤也に声をかける。ついでに赤也の頬っぺたをつまみながら。
「ぎゃーっ!痛い痛い!痛いっすよ幸村部長!」
幸村に頬っぺたを引っ張られて赤也が目を覚ました。
「ごめん精市君、赤也君起こすときにシラユキに目覚ましビンタしてもらったからあまり頬っぺた触らないであげて」
よく見れば赤也の頬っぺたは赤く腫れている。
「シラユキって、誰だよい?」
「ん?私のポケモンだよ」
「スゲー痛かったっす...」
「自業自得じゃのう」
「ごめんね赤也君。シラユキ、赤也君の頬っぺた冷やしてあげて」
「メーノ」(はーい)
出てきたのは首に水色のリボンを巻いたユキメノコ。赤也の後ろからそっと両手で頬っぺたに触れた。
「ひんやりしてて気持ちいいっす」
「ジムに着くまではそのままついててあげて」
「メノメノ!」(わかった!)
「さぁ、赤也とフェリも来たことだし、それじゃ行こうか」
そして舞台はリッカイジムへ。
一行は立派な和風な道場の中にいた。
目の前には強者の風格を持つ老人が。なんとなく真田に似ている。
「真田のお祖父さん、いえ、リッカイジムリーダー弦右衛門さん、本日はよろしくお願いいたします」
「あぁ。こちらこそよろしく頼む」
「こっちにいる面子が今現在残っている仮部員です」
「ほぅ...」
弦右衛門の鋭い目線に怖じ気づく仮部員達。しかし、その中でたった一人、真っ直ぐに見つめ返してきた人物がいた。