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風向きが変わったら【ヒロアカ】

第11章 嵐の前の騒々しさ




「別にこいつの隣がいいってわけじゃねぇよ、ただこのままいったらクソナードが俺の後ろに座ることになんだろが!!俺はそれが嫌なんだよ!!!」
「じゃあ、そう言えばいいだろ、別にこんなこと言い争う必要なんてないんだから!」
「デクのくせに言い返してきてんじゃねぇよ!!!」
「か、かっちゃんこそ、静かにしてよ!!元はといえばかっちゃんが…!」


爆豪が緑谷に掴みかかり、周りに座っていた生徒が顔を真っ青にして2人を引き離そうとする。


「何を騒いでいるんだ2人とも!爆豪くん、早く席に着くんだ!列が詰まっているじゃないか!」
「おわ、ちょっと目離すとすぐモメるよなぁ爆豪…おいお前ら、いい加減にしないと相澤先生に縛り上げられるぞ!」
「緑谷、その座席がいい。俺と代わってくれ」
「死ねデク、生意気な口きいてんじゃねぇよ!!」
「…えっ?待って今誰か…!」
「爆豪くん!早く座るんだ!」
「オイラも女子の隣がいい!!」
「はいはい、爆豪落ち着けって!爆発させんな、緑谷のコスチュームだけじゃなくて、運動着までダメにする気かよ!」
「緑谷ちゃん、爆豪ちゃんは諦め悪いもの、こっちの席に来たら?」
「皆さん静かに!相澤先生の沸点を超えそうですわ!」
「どけやデク!!そこは俺の座席だ!!」
「ちょっと、みんな静かに!誰かさっき…!」


もともと、自己主張の強い生徒が集まって形成されたクラスだ。
1人が何かを喋ると、誰かがそれに口を出さずにはいられない。


「緑谷」


ガクガクと爆豪に胸倉を掴まれ、前後に振り回されながら、緑谷は揺れる視界の中で、じっとこちらを見つめて来ている轟と目が合った。


「緑谷、今お前が座ってる座席に座りたい」
「……えっ、轟くん、なんて?」
「俺は向の隣がいい。お前の席なら、悪ぃが、譲ってほしい」
「「「「「…………」」」」」


ダメか?とクールな表情を崩さず、打診してくる轟に、緑谷は「あっハイ」と二つ返事を返す。


「…爆豪、お前、緑谷の前が嫌なんだろ。なら、俺と緑谷が座席を代われば問題ねぇよな。後ろ詰まってるから、早く座れ」
「………ッ………!!!」


問題あるわ!!!と引き下がらなかった爆豪を、バスの前方から足早に近づいて来ていた相澤が拘束し、叩きつけるように向の前の座席に座らせた。


「全員、とっとと座れ」




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