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風向きが変わったら【ヒロアカ】

第87章 「友達だろ」




Mr.コンプレスが芝居掛かったセリフを口にする。





ここにいる者。
事情は違えど。
人に。
ルールに。
ヒーローに縛られ、苦しんだ。






「君ならそれを…」
「おい」


死柄木が何かに気づき、屈む彼女の方へと足早に近づいた瞬間。
バゴォ!!!と。
Mr.のセリフを搔き消す爆破音を響かせて、爆豪がめいいっぱい伸ばした右腕で、死柄木を爆破し吹き飛ばそうと試みた。
寸前のところで死柄木は爆豪の殺意に気づき、大きく仰け反って直撃を免れる。
しかし、爆風を食らった死柄木の顔に覆い被せられていた「手のひら」は地面へと転がった。


「黙って聞いてりゃダラッダラよォ…!馬鹿は要約出来ねーから話が長ぇ!」
「死柄木…!」
「要は「嫌がらせしてえから仲間になって下さい」だろ!?無駄だよ」








「俺は」








「オールマイトが勝つ姿に憧れた」










「誰が何言ってこようが、そこァもう曲がらねえ…!!」
「…………………………。」


















(……あぁ……こいつ、お父さんを……床…………こいつが、……殺す)









ブツリ、ブツリと。
思考が途切れ途切れになり、おぼつかない。
床に転がった「手」を見て、ただぼんやりと。
死柄木の中に、明確な殺意だけが湧き上がってきた。

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