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風向きが変わったら【ヒロアカ】

第80章 親不孝者のオリジン









ーーーワンフォーオール、100%!!






マスキュラーと衝突した右腕から足先まで身体を駆け巡る痛みと衝撃に、緑谷は涙を浮かべながら全力の一撃を放った。
凄まじい爆風に吹き飛ばされる洸汰を追いかけ、引き上げた直後、瓦礫の中から再びヴィランが立ち上がってきた。


「…ウソだろ…」
(オールマイトの、力だぞ…!!)


「テレフォンパンチだ、しかしやるなあ!緑谷!」と、土ぼこりに塗れこそすれ、全くダメージを受けていないマスキュラーは楽しげにそう言って、緑谷と洸汰との距離を詰めてくる。


「なっ何がしたいんだよ!!敵連合は何が…!」


時間を稼ごうと発した緑谷の問いかけに、マスキュラーはさも興味がないといった風に言葉を返す。


「知るかよ、俺ァただ暴れてえだけだ。悲しいことに大人は仕事しなきゃ生きれねェからよ、一応は建前で仕事だなんだ言ったのさ。けどハネのばして「個性」ぶっ放せれば何でも良いんだ」


さっきまでは、ただの遊び。
ここからは本気だ、と言ったマスキュラーは真っ赤な義眼へと付け替えた後。
先ほどまでとは比べものにならないパワーとスピードで緑谷たちに連撃を繰り返してくる。


(施設まで行ければ相澤先生がいるハズ!先生に「消して」もらえれば…!)
(ビビるな)
(ここから施設までの距離を追いつかれずにいけるか!?)
(ムリだ)
(ただでさえ合宿の疲労がたまってる、そんな状態で背を見せて獣道を)
(考えるな!)










今、ここで戦って勝つしか道はない。









(助けるんだろ…!おまえの、原点を思い出せ!!)










「下がってて、洸汰くん。ぶつかったら、全力で施設へ走るんだ」
「ぶつかったらって…!おまえ、まさか!ムリだ逃げよう、おまえの攻撃効かなかったじゃん!!それに…両腕折れて…!」
「大丈夫…」









ーーー出久、怪我しすぎだよ










(…っ…ごめん…)









ーーー僕も、一緒に戦うから。君一人で戦わないで








(ごめん……!!)








何が、あと1年だ。
何かあるたびにいちいちボロボロになるような友達を、彼女が一緒に戦わせてくれるわけがないのに。

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