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風向きが変わったら【ヒロアカ】

第59章 梅雨にのぼせる




「だから何度言えばわかんだてめェは!!!その解釈じゃねぇっつってんだろォが!!!同じこと二度も言わせてんじゃねぇブッ殺すぞ!!!」
『………ごめんよ……』

今日の昼休み、教室で。
日本語難しい、なんて日本人のくせに甘ったれたことを言う赤点女に、猿でも分かるような解説を懇切丁寧にしてやっていると。
視界にちらちら入ってきていやがったクソメガネが抗議してきた。


「爆豪くん、君もう少し優しく教えられないのか?向くん、わざわざ爆豪くんに頼まずとも俺が教えよう!」
「あァ!?黙れやマニュアル坊やが…!」
「なっ、マニュアル…!?失礼だな、俺はマニュアル人間などではない!臨機応変、即時対応出来る男だ!」
「うっせぇんだよ、とっとと失せろ!」
「向くん、何か困ったことがあるなら俺に聞きたまえ!!」
『ん?ありがとう。天哉って、中間の点数良かったの?』
「俺は、中間試験2位だ!」
『おぉ、それはすごい』
「ガリ勉野郎が、ちょっと調子良かっただけのくせして生意気言ってんじゃねぇ…!」
「ガリ勉で結構!向くんに頼られるなら本望というものだ。で、どこがわからないんだい?」
『あぁ、ここの…』


俺の机に教科書を開いたまま、メガネに教えを請う深晴を見て。
また俺はどうしようもなく苛立つ。







(……クソが)







そうだ、そうだよ。
こんな誰にでもヘラヘラするようなアホ女に構ってる暇はねぇんだ。
期末では、俺がクラス1位になる。
筆記だろうが何だろうが、俺が勝つ。


「聞けば理解できるのに、なぜ中間の古文では赤点を?」
『ちょっと調子悪くて』


なのに。


「ちょっと調子が悪くて…?ちょっとした体調不良で赤点を取るとは考え難いが……ハッ、向くん!もしかしたら地頭のせいかもしれない。早々に対応策を考えよう!クロスワードなどはどうだろう!?」
『普通にお前バカだからもっと頑張れよって言われた方がいい、リハビリ勧められてる気がする』
「君が良ければ、土日に勉強会でもしよう。すぐ近くに質問できる相手がいれば、勉強がはかどるだろう」


しれっと約束を取り付けようとするピクトグラム野郎に、俺が睨みを効かせると。
なんだい、何か文句があるのかい、とムカつく語尾を繰り返し、メガネが突っかかってきた。


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