第55章 友達リクエスト
つーかさ、と上鳴がジッと切島を見つめる。
「緑谷と何話してたん?コソコソ」
「コソコソは、別にしてねーよ。な、緑谷!」
「え?う、うん」
「隠し事なんて男らしくないんじゃないですか?切島くん」
切島がそそくさと着替えを終え、荷物を持って更衣室から出て行く直前。
上鳴に言った。
「なんでもねぇよ!」
いつもお互いが着替え終わるまで待っているはずなのに、今日に限って切島は急いで更衣室から出ていってしまう。
「………。」
向もなんだか上の空だし、切島も何やら怪しい動きをしている。
いつメンの中で唯一、爆豪だけが通常運行。
「爆豪、教室戻ろーぜ!」
「ついてくんなや」
「いいだろ別に!!寂しいんだよ俺は!!」
「寂しがんなきめェ」
「俺だけじゃなく、俺の中にある豊かすぎる感情まで迫害しないでください!!」
(…あーぁ、なんか…高校入って、ようやく!って感じしてたんだけどなぁ)
「なぁ、俺らってダチじゃねぇの?」
「んなわけあるか」
「………ですよねー…」
あーぁ
そりゃそうだ
そんなうまく、いかないですよねー