第55章 友達リクエスト
「おやおや?もしかしてお兄さん、友達にも所有欲湧いちゃう感じですか?」
「あぁ!?黙れやアホ面!!」
「あのさぁいい加減俺の名前アホ面って呼ぶのやめてくんない?上鳴だ上鳴!!はいSay!!」
「なんでもねぇよ死ね」
「そのなんでもねぇってやつも俺のNGワードなんですけどおまえが死ね」
「おまえが死ね!」
「このっ…もう…っバーカ!!!」
「くたばって死ね!」
「くたばって死ね??????どういうこと????え?????くたばったら死ねませんけど????」
「はてなマークがうぜぇんだよぶっ殺すぞ!!」
「おまえはいちいち何かあるたびに人を殺しすぎなの死なせすぎなの、それでもヒーロー志望か!あっ、深晴からも言ってやれよこいつさー!」
自分の席に戻ってきた向を見て、上鳴が視線を彼女に向ける。
向は自分の席に教科書を出した後、上鳴の机を見て、言葉を返した。
『次、現国』
「…え?あ、やっべロッカーん中だ」
サンキュー!と言った上鳴がまた、自分の机から向へと視線を向けた時。
彼女はもう上鳴を見てはおらず、自分のノートを開いて、課題だった箇所に視線を落としていた。
(…あれ?)
上鳴がほんの僅かに感じた違和感。
いつもの彼女とはなんだか、違う。
(………あれれー?)
昼休み。
「深晴、学食いこうぜ!」
『ごめん、ちょっと職員室に呼ばれてるから先に行ってて』
(あれれーおっかしいぞぉ?)
ヒーロー基礎学の最中。
「レースのトップ予想、俺瀬呂が一位」
「あー…うん、でも尾白もあるぜ」
「オイラは芦戸!」
「デクが最下位」
「なー、深晴はどう思う?」
『誰でもいいかな』
(あれ…っ…あれれれれ)
なんだか
彼女の様子が変だ。
「なぁ…俺深晴怒らすようなことしたっけ?」
「ん、何が?怒ってんの?」
ヒーロー基礎学が終わった後、更衣室で着替えながら上鳴が切島に問いかける。
「なんか俺に対して冷たくね?おまえは?」
「マジか」
「マジマジ」
「…んー…俺は普通な気ぃすっけどなー。聞いてみれば?」
「あー…聞いたってどうせあれだろ。なんでもない!って女子がよく言うやつ」
「聞くだけ聞いてみれば?」
「……んー」