• テキストサイズ

風向きが変わったら【ヒロアカ】

第53章 そうじゃない関係




「…違うって言ってくれりゃそれでいいよ」


そう言ってきた家主の同期に、向は俯いていた視線を向けた。


『……甘いですね、消太にぃも貴方も』
「おいおいおい基本ヒーローってのは女の子に弱いもんなのさ。守ってやんなきゃいけねぇ対象として、頭にインプットされてっからな」
『…じゃあヴィランは?』
「……ん?」
『ヴィランからしたら、女の子に強いものですか?』
「なんだそりゃ!!いじめてやんなきゃいけねえ対象としてインプットされてるって意味か?」
『じゃあ、ヴィランが女の子をいじめるでも傷つけるでもなく、普通にデートに誘ってきたとしたら…それはヴィランとしてじゃなくて、本当に一人の男性として、その女の子とデートしたいってことなんでしょうか』
「…………。」
『保須で、色んなことがあって。わからなくなりました。何が正しいことなのか…。昔母に言われました、付き合う友達は選びなさいって。でも選ぶほど友達がいなかったら?選べるほど自由が許されていなかったら?どうしようもなく困った友達だろうが、大切じゃないですか?選べるわけなくないですか?』
「…なんの話だよ」
『例え話です』








『私はヴィランとは違いますよ』









向は、にこやかに笑って。
マイクが買ってくれた飲み物をまた口に含んだ。


『でも…そうですね。消太にぃには迷惑をかけられないので…そろそろ、一人で暮らし始めようと思います。彼がなんと言おうと』
「いや、そいつぁまずい。違うなら違うでいい。わざわざおまえら引き離すなんて野暮なことはできねぇよ」
『…危ない芽は摘んでおきたいのでは?』
「まぁそうだけどよ。俺はあいつの女を見る目は信用してねぇが、生徒を見る目は信用してる」
『……。』
「オーーーイ悪く思うなよ!!おまえさんが嫌な女ってわけじゃないぜ!!でもいくらなんでもハードル高すぎだろ!!?15歳差に、生徒と教師!!誰から見たっておまえらの関係っておいおいマジかよって感じだぜ」
『…そんなんじゃないです』
「あいつこの一週間、脱水症状でぶっ倒れてたの知ってる?」
『えっ、嘘』
「マジだマジ。元カノと別れた時だってんな事にはなってなかったのに、ありえねーだろ大人だぜ!?んなことあんのかって話!!」

/ 768ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp