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風向きが変わったら【ヒロアカ】

第46章 公私混同etc




耳元から顔を遠ざける直前、ふっ!と彼の耳に強く息を吹きかけた。


「!!!!?」


バッと耳を押さえ、向をギリギリと睨みつけてくる爆豪に知らんぷりを決め込んで、向は彼と反対側の宙へと視線を逸らした。


「テメェ………」


小声で凄んでくる爆豪から視線を逸らし続ける向。
イライラとしていた爆豪は不意に周囲を見渡し、ガッと向の首に腕を回した。
引き寄せた彼女の耳に、爆豪はフッ!!!とものすごい肺活量で息を吹きかけ、悶絶した彼女からパッと腕を放す。


「はい、次爆豪くん。…向さんどうしたの?熱でもある?」
『いえ全然、大丈夫です』
「顔真っ赤だけど」
『大丈夫ですんで、ちょっと慣れないもので』
「そう?……あぁ、爆殺シリーズは無しね、でもこれとこれはいいかもね……」


爆豪のノートに視線を落とし、目を走らせるミッドナイト。
わなわなと震えながら爆豪を涙目で睨みつける向に、しれっとした顔をしていた爆豪が目を合わせた。











バーーーカ










と、声もなく向を罵倒した爆豪は、満足げに、少しいたずらっぽく舌を出して笑った。
なんだか身体がぞわぞわとしたままの向は自分の両頬を両手で挟み、どうやら自分より、そういったことには免疫があるらしい爆豪から視線を逸らした。


(やっぱりちょっと、恥ずかしがるツボがおかしい…!)


そして、そんな二人に知らぬ存ぜぬを突き通しつつも、決定的場面をガン見していたマイク、オールマイトは。


((ここ、職員室だぜ…!!))


なんて、青春の1ページを見せつけられた絶望感に打ちひしがれる。
爆豪が彼女を引き寄せた一瞬を、確実に目撃していたはずの相澤。
しかし彼が平然と仕事を続けている姿を、マイクが心配そうに見やった。


「次、向さん。うわぉ壊滅的!どうしようかな……どれにしよう」
「名無しで十分だろ」
『おいそれだとモブ感増すだろ』
「それじゃ俺のサイドキックの株が下がる、もっとマシなの考えろや」


サイドキック、という言葉が、一番友好関係において課題を抱えている生徒の口から発せられたのを見て、教員たちが目を見開いた。
絶え間なく動いていた、相澤の仕事の手が止まった。

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