第45章 らしい名前をつけましょう
隣の席の爆豪と揃いも揃って、再考、再考、というジャッジを受け続ける向を見ながら。
轟はまるで、一人大喜利を披露し続ける向のネーミングセンスに、微笑みを浮かべた。
(……あぁ、なんだか)
すごく、胸の奥が温かい
轟がテーブルに肘をついて、惚けた視線を向に向け続けているのを見て。
相澤は、ドッとまたクラスメートたちの笑いを取って落ち込む向に視線をずらした。
(…………………。)
「ちょっ、あんた達昼休みも使って考えな!!!何個か候補作って、私のとこまで来なさい!!!」
それでいいでしょ、イレイザー!
と振り返ったミッドナイトの視線の先には、寝袋の袋の先を全て絞り込んで、顔が拝めないタラコ状態になっている担任の姿が。
「あんた本当に甲斐性ないね!!?」
ビシィ!とミッドナイトが教卓を叩くが、一向に相澤からの返答はない。
荒ぶる女教師に、寝袋の中に引きこもった担任が病み上がりの身体を足蹴にされているのを眺めながら。
一切ふざけていたつもりのない向が、途方にくれて、ため息をついた。
(…ヒーロー名なんて)
考えたこともない