第41章 ただの茶番さ
向は爆豪と、轟、どちらと付き合うべきか。
そんな無駄でしかない議論の声が耳をかすめて、相澤はイライラとしながらメッセージを打ち終わり、マグカップを荒々しく自分のデスクに置いた。
「んなくだらない話してる時間あるなら、好きなだけこの書類の山、持って行っていいんですよ…?」
「じゃ、イレイザーが戻ってきたしさっきの話題に戻りましょ!私たち暇じゃないから!!…あれ、なんだっけ?あぁそうそう!本当にアンチなんて生易しい存在の仕業かしら。この前のUSJで派手に暴れてくれた敵連合ってことはないの?またイレイザーヘッドのクラスだし」
話を雑に戻したミッドナイトは時計を見て、「あぁもうこんな時間!」と呻き、遠くにある自分のデスクに乗った書類の山を眺め、目を細めた。
「イレイザー、あんた仕事早いんだからそれもうすぐ終わるでしょ?手伝ってくれない?私合コンなの今日」
「オイオイ買いかぶりすぎだろォ!!!終わるわけ!!今年は1年に集中が集まりすぎて例年の5倍は指名やら問い合わせやら来てるっつーのに!!」
「俺も合コンなんで手伝えません」
「相澤くん合コン行ったりするの!?」
「HEYHEーーーーY!!!すぐわかる嘘つくなや!!オールマイトも騙されんなァ!!」
「ちょっと、イレイザー、マイク独身でしょ?どうすんのさ、三十路乗ったのに合コンも行かないで何あぐらかいてんの!?」
「俺はファンが悲しむからずっと特定のファンとは付き合わないようにしてんの!!モテないとかそういうんじゃないから!!選ばないだけだから!!」
「強がりじゃん!!言っとくけど私だってモテるし!!でも私に見合う相手がいないから探してるだけだから!!別に食事には困ってないけど休日に狩りを楽しむ貴族みたいな感じ!!?」
「そりゃおまえみたいな肉食に追われたら子鹿メンタル野郎は逃げ出すぜ!!!」
「……合理性に欠くね?俺のデスクの周りでそれ以上くだらん事話すなら切り落とすぞ」
「「どこを!?舌!?怖っ!!」」
「ハッハッハ、大丈夫。男性は何だかんだ、30歳くらいが1番魅力的だったりするんだから」
そのオールマイトの発言を聞き、イライラが最高潮に達していた相澤が一考した後、珍しく食いついてきた。
「…それ、三十路過ぎたら魅力減退するってことですか」
「えっ?」