第41章 ただの茶番さ
▷雄英に忍び寄る影、アンチの仕業か?
雄英生が何者かに突き落とされ、線路に転落。
その場に居合わせたもう一人の雄英生が、反射的に線路から彼女を助け出した。
けが人は急ブレーキにより車内で転んだ乗客数名と、突き落とされた雄英生、いずれも軽傷。
助け出した雄英生も含め、大きなけが人は無く、悲劇は免れた。
「警察をやっている私の友人から今、連絡が入ってね。この二人向少女と轟少年らしい」
「マジかよ、またおまえんとこのクラスか!?」
「……このニュース、途中で彼女って書いてあるってことは、突き落とされたのは向ってわかってるんですか」
「あぁ、確かみたいだ。…もともと、ヒーロー科に入学した時点でアンチの嫌がらせ程度は受ける覚悟をしなきゃいけないものだが…ここまで過激なものは初めて聞いた」
ちょっと失礼。
と相澤は教師陣が集まる自分のデスクから離れて、コーヒーメーカーにマグカップをセットした。
コーヒーが注がれるのを待つという口実を作り、窓際で携帯に触れ、彼女からのメッセージを読み、返事を返す。
(…通話出来るタイミングで、連絡をーーー)
なんだか、視線を感じる。
ふと顔をあげると、相澤のデスクを囲むように集まっていたオールマイト、マイク、ミッドナイト、13号、セメントス、エクトプラズムが相澤の方へと目を丸くした顔を向けていた。
「……なんです」
「えっ、あっ、いや……相澤くんが、詳しい話を聞き終わる前に席を立つなんて珍しいって思って」
「いやややオールマイト!!コーヒー飲みたかっただけだロロロロ!!!」
「マイク変なシャウトしないで舌噛むよ」
「先輩、親戚らしいですね。連絡を取ってみてるんですか?」
「珍シイ事モアルモノダナ」
「……珍しい、というか…まぁ、さすがのイレイザーヘッドも身近な人間になると合理性云々で動けなくなるのでは」
「てゆーかさぁ!この子助けたの轟くんでしょ?でもネットニュースで見たのは爆豪くんよね?どっちと付き合ってんの?」
「あっ、僕がこの前見たときは学食で向さんと轟くんが一緒にメニューの列に並んでましたよ。轟くんはもう食べ終わってたみたいなんですけどね」
「えっ、爆豪少年と向少女じゃないの!?あの2人移動教室全部一緒に移動してない!?」