• テキストサイズ

風向きが変わったら【ヒロアカ】

第40章 世間は狭い




轟は震えながら、向を抱きしめ続ける。
向はその言葉を聞いて、問いかけた。


『……だから、飛び出したの?』
「…あぁ」
『…死ぬかもしれなかったのに』
「…そういやその時は、考えてなかった。今になって自分がどれだけ命知らずか、実感してる」
『えっ』
「考える前に飛び出してた」





















「おまえを助けられるなら、俺はどうなったって良かった」

























はっきりと告げられた轟の情。
彼女は目を丸くして。
「おまえを助けたい」と言っていた轟の気持ちを、浅く推し量っていたことに気づいた。


『……ごめん』


耳に押し当てられた彼の胸から伝わってくる心音の速さは、死に直面した故のことなのか。
彼女を深く愛するが故の鼓動なのかは、わからない。








『……………焦凍』







理由のわからない彼の鼓動の高鳴りに、知らないふりをして。
向はただ、彼の名前を呼び。









ごめん、と










謝ることしかできなかった










/ 768ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp