第31章 同期兼同僚の独り言
飛び出していく同期を見て。
俺はぼんやり考えた。
おまえ、ほんと馬鹿だよ。
おまえの人生には。
腹抱えて笑えるようなことだって。
目ぇひん剥くような出来事だって。
もっとたくさん。
たくさん。
いくつも、転がってたのに。
まるで。
初めて、「生きてる」って面しやがって。
「…あーぁ…俺も良い人欲しいぃい」
なんて、ぼやきながら。
俺は仕事を投げ出した同僚に、貸しを作って。
<<轟、決勝進出ーーー!!!両者良く頑張ったーー!!次の対決はぁ、常闇バーサス爆豪だぁああ!!>>
仕方ねぇ。
仕方ねぇから、あと少しだけ。
しばらくは戻ってこないだろう、同期のために。
目一杯、働いてやることにした。
ーーー雄英体育祭、本戦3回戦1組目
ーーー向深晴、ベスト4敗退
第31話
友達兼同僚の独り言